三半ズマロン

m10 / summaron 35mm f3.5

ライカの summaron 35mm f3.5、いわゆる三半ズマロンが好きだ。
自分にとっては二本目のライカレンズ、初めての35mmレンズだった。

m10 / summaron 35mm f3.5

最初のライカはM10の中古と現行のズミクロン50mmの中古を清水の舞台から飛び降りる思いで買って始まった。だが、それから1ヶ月もしないうちに35mmという画角とオールドレンズへの興味を抑えきれなくなり、ズマロンの購入に至った。ライカレンズの中では最も買いやすい価格帯のレンズであったことも背中を押した。

50年以上前のレンズでありどのような状態のレンズが届くのかドキドキしたが杞憂であった。むしろ、ライカの黄金期のレンズというだけあって小柄なボディに真鍮のずっしりした重みがイイモノ感を感じさせてくれるし、シルバーに輝くメッキは美しく丈夫で、扱いに安心感がある。比べるものでもないが、現行のズミクロン50mmがチャチに感じてしまう。

それから1年近くはほぼその三半ズマロンとM10だけを使い続けた。
台湾の家族旅行もボディ1台とレンズ1本しか持っていかなかった。特に不便だと感じた記憶はない。もっと広く撮りたければ何回かに分けて撮ればよい。もっと大きく撮りたければ寄る、寄りきれなければトリミング、もしくは諦める。

m10 / summaron 35mm f3.5

だが、使い続けるうちに諦めるという感覚はなくなり、積極的にその不便とも思える状況を活かすための構図や距離感を考えるようになった。ズマロンにはイイ勉強をさせてもらった。
現在、保有するレンズは10本を超えるようになってしまったが、いまでも外出時に持ち出すのはボディ1台とレンズ1本だ。

当時は、ライカといえばスナップ、という想いが強く、ズマロンもf8程度まで絞ってパンフォーカスを意識して使っていた。
パンフォーカスで使うレンズとしてズマロンは非常に優秀だと思う。

現代レンズと比べれば各収差の残り方や解像感では劣るかもしれない。
だが、とにかく、まず、小さくて軽い。そして高級感がすごい。だからついつい持ち出したくなる。これってスナップ機としての「性能」の一部であるといっていいのではないか。
また、オールドレンズという先入観を持っていると思いのほかハッキリクッキリ映ることに驚くと思う。

三半ズマロンには前期型と後期型がある。
前期型は鏡胴にクビれがありフィルター径は36mmだがフードをはめるスレッドがない。
後期型は鏡胴のクビれがなくなって35mmズミクロンに似た外観になるとともに、フィルター径は39mm、フードをスレッドにはめることも可能になっている。

個人的にはフィルターやフードの運用の観点から後期型を強く勧める。

m11monochrom / summaron 35mm f3.5

ライカレンズは年々値上がりしているし、イイ玉はだんだん出回らなくなっているとも聞く。レンズの綺麗な出物が見つかれば確保しておくことをお勧めします。
自分でも予備にもう一本確保すべきではないか、本気で考えることがある。

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