スーパーアンギュロンを購入した。
M11系で使用するにあたり工夫したことなどを書き出してみたい。入手を検討されている方の参考になれば幸いだ。
なお、カメラボディは、特に断りがない限り保有するM11MonochromとM11-PをまとめてM11系と記載する。
スーパーアンギュロンの概要
スーパーアンギュロンは1958年にライカから発売された画角21mmの超広角レンズ。シュナイダーからの生産供給を受けていたようだ。
初期型はF値4.0でリリースされ、1963年以降の2ndではF値3.4に変更、途中からブラックの筐体に変更されている。
自分が保有しているのは1959年製の1stでF値は4.0。
後玉問題
スーパーアンギュロンは、エルマー50mmなどの沈胴式と同様に広角レンズは後玉がマウント面から大きく飛び出す仕様になっている。
後玉がマウント面より大きく飛び出ていると、センサーに接触する可能性があり、機種によっては使えない場合があるほか、使えるとしても自己責任での使用が前提になる。
M11系のマウント面からセンサー部までの距離を確認したうえでおっかなびっくり試しみたところ、特に問題なく使えるようだ。
ただし、実際に試す場合には自己責任で。
マゼンタ被り
M10系だとマゼンタ被りするとの情報が散見されるが、M11系では特に気にならない。
なお、当然のことながらモノクロでの使用であれば機種とを問わずそもそも問題にならない。
フード
純正フードは高価で市場に出回っている数も多くはないうえ、見つかったとしても状態が良いとは限らない。
また、後述するように、自分はそもそもライカ純正のはめ込み式のフードがあまり好きではない(見た目はものすごく好きなので悩ましいのだが)。
そこで、
・39mmから52mmへのステップアップリング
・52mm径の汎用フード
・52mm系の汎用フィルター
を使用する運用に落ち着いた。
自分はスーパーアンギュロン用のIWKOOや、ズミクロンなど39mm系用のIROOAなどのはめ込み型の純正フードの使用感があまり好きではない。
フードの役割は余計な光の入射を遮ることのほか、レンズを保護する役割もあると思う。だが、特にレンズ保護の役割を考えたときに、フードがツメで引っかかっているだけできっちり固定されていないことに居心地の悪さを感じる。
また、着脱のたびに鏡胴に細かな傷が入るような気がして、この点でも居心地の悪さを感じる(実際毎回傷を増やしていると思う)。
そこで、スーパーアンギュロンのフィルター径である39mmの汎用フードをはめてみるのだが、軒並みケラれが発生してしまう。超広角恐るべし。
何かいい方法はないものか、思案してステップアップリングを使うことを思いついた。
何ミリまでステップアップすればケラれが発生しないかは試してみるしかなかったが、できるだけ汎用性の高い径としてエイヤで52mmまでのステップアップリングとフードとフィルターを購入。
それぞれ組み立てて着用した勇姿が以下である。


鏡筒が比較的短い割にフード径の大きさが若干異様な印象を与えると思う。だが、そもそもレンズが21mmという超広角であり、超広角のイレギュラー感を体現していると思うとこれはこれでありだと思えてくる。
なお、角形フードの着用はお勧めしない。
フードのはめ込み部と絞りリングが連動しているため、絞り調整のため絞りリングを回すとフードも共ズレで回転してしまい非常にカッコ悪い。
質感
モノとしての質感は素晴らしい。
自分が保有している個体はOH済としてオークションサイトで販売されていたものを購入したのでかなり綺麗な方だとは思う。だが、そうでなくとも小ぶりな見た目に反してズッシリした重みがあり、良いもの持ってる感を感じることができる。
他に21mmを買っても本レンズは手放さないだろうと思う。見たり触ったりしているだけで深い満足を得られる(ちょっとアブない)。
周辺減光
周辺減光は激しい。特に、明暗さが少ない画角を撮影すると周辺減光が目立つ。
これはこのレンズの特徴であるから、周辺減光を活用した画作りを心がけるしかないと思う。
具体的には、
・日の丸構図
・額縁構図
・トンネル構図
がハマりやすいレンズだと思う。
21mmの活用方法として、ほかにも「近距離の被写体を狙ってのストリートスナップ」も良さそうだが自分にそのスキルがまだない。練習してお見せできるようになりたい。

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